8月2週目、COURTのマーケットへ出かけました。お盆の中日ということもあり、ご家族連れの方たちがたくさんいらしています。中央のテーブルでは、竹の灯篭づくりに没頭する親子。左手の「コドモのあしば」では、滑り台や落書きに夢中になっている子どもたち。右手のスタードームの中では、くつろいだり将棋に興じる大人たちも。まるで縁日のような雰囲気です。
遊び心を刺激する、木の温もりを感じるおもちゃ。建築廃材や鹿の角をアップサイクルさせたアクセサリー。デザインがきらりと光るクラフトたちがならんでいました。
解体現場で見つけたアクセサリーのかけら
KiNaKo会期:8/11(金・祝)~12(土)
深い藍色のネクタイピンを見つけ、これは何でできているのだろう?と気になりました。聞けば、岩手県に多い丸型の瓦。スタイリッシュなアクセサリーは、建築廃材からできているのだそうです。
「きっかけは、おばあちゃんの家を解体したときなんです」とKiNaKoの水上奈都子さん。建物を残すことはできなくても、その一部を形を変えて、思い出を身につけることができたら…と、建築設計の仕事の傍ら、現場で見つけたピースを活かしてアクセサリーをつくるようになったそうです。カラフルな床材は軽やかなイヤリングに、アルミニウムはブレスレットに。サンプルとして廃棄される“建築になれなかったもの”や役目を終えたものたちに、新たな命を拭き込んでいます。アップサイクル*ゆえ、敢えてお求めやすい価格を設定しているそう。「パーツが壊れたときは、ご相談下さい」と、水上さん。ぜひ、オフィシャルサイトものぞいてみて下さい。パーツの背景にあるストーリーも魅力的です。
- *アップサイクル
- 元の素材よりも、より価値の高いものを生み出すこと
- LEDの端材をペンダントヘッドに。
アルミニウムを活かしたブレスレット
- 水上さんから聞く素材の物語が楽しい
- 床材を磨いてピアスに。琥珀のような輝き
作家自ら山に入って
deer bone“hai”会期:8/18(金)~20(日)
象牙のような輝きを放っているアクセサリーを見つけました。素材は、鹿の角や骨。1点1点、ドリルを使って手作業で細工を施しているそうです。素材はどうやって入手しているのでしょうか?
獣害対策でハンティングされた後、捨てられてしまうことが多い鹿の角。作家の岡本梨奈さんは、自ら森に入って自然に生え変わった鹿の角を集めたり、ときにはハンティングをして、解体・煮沸・洗浄・乾燥から手がけているそうです。「役目を終えたものを、別の生き物にかたちを変えることができたら」と、岡本さん。モチーフは、フクロウ、ワニ、タコなどの動物や、植物。絵画を学んでいたということもあり、ひとつひとつ、今にも動き出しそうなほど繊細な加工を施しています。ショップ名の”hai”は、ダブルミーニング。別の形や役割に生まれ変わる”胚”と、扱っている素材への敬意を忘れないための”拝”という意味を込めているのだそうです。
- 森の生き物、イノシシをモチーフに
- 敢えて磨きをかけずにそのままの色をいかしたリングも
- 森から、海の生き物・タコにかたちを変えて