小松良明のソロエキシビジョンを開催いたします。これまで制作してきたBEAST STRIKES BACKシリーズの作品のほか、派生したleatherシリーズの作品を展示します。また、同会場のアトリエスペースでは、ライブで新作を制作します。ぜひ、この機会にアーティストの制作過程もお楽しみください。
BEAST STRIKES BACK ステートメント
プロダクトには試作があり、私たちに完成品として出現し、その後、改良を重ね遷り変わる。いまの形を崩したり、あるいは一部を引き継ぎ、新しいプロダクトへと進化していく。
そのことはプロダクトに限らず、私たちの身の回りにも起こりうることではないだろうか。異なるプロダクトの部位同士を組み上げることで、まったく新しい造形を持ったプロダクトを生みだすことに強い関心が生まれた。
BEAST STRIKES BACKシリーズは、怪獣のソフトビニール人形に着目した。すでに完成されたその造形の部位の表情は豊かであり、異なる怪獣の同士を融合することでしか生みだせない新しい怪獣を創作する。
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批評 庄司 みゆき(キュレーター)
その造形は、ヒーローやダークヒーローにいまだにワクワクしてしまう大人たちをも魅了する。
小松が興味を示すことは、原型となるモノへの執拗な対峙である。
小松の作品を目にする時、その部位がもともといくつかの成形された個体の一部であったことを脳裏に浮かべることができる。しかし、瞬時にその認識は打ち消され、小松によって造られた1つの完成した個体にしか見えなくなる。その気持ち悪いような、心地良いような感覚を何度も繰り返し、私たちの脳内をリブートしてくる。
あるモノの個体を分解し再構築したというチープな表現は、ここでは似つかわしくないだろう。家のリフォームと、リノベーションの定義は同一視であるが、それらは段違いであると豪語する人が巷に存在するように、私も小松の作品は単なる再構築されたものではないということを豪語したい。
小松は、「モノが出来上がるまでの試行錯誤というものを作品という形で表現し、モノから人間の痕跡を見出したい」という行為が制作において根底にあると言う。その圧倒的な欲求こそが、作品に生命の息吹を与え、まさに私たちを魅了する作品を生み出している。
今回、初の個展となる「REMODERING (リモデリング)」は、展示会場内がアトリエとしても機能し、そこではBEAST STRIKES BACKシリーズの新作を制作する。小松が創作する様子をライブでみることができるほか、過去のBEAST STRIKES BACKシリーズの作品を堪能することができる。
小松が新たな挑戦を果たすのか、それともそんな私の期待を裏切り、ただただ原型と執拗に対峙するだけなのか、完成されたその造形美の結果こそがやはり楽しみである。
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小松 良明
1983年横浜市生まれ
美術学校を卒業後、作家活動を開始
世界中のギャラリーや展示場で作品を発表
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