知っていそうで知らない和菓子のこと。老舗和菓子屋「とらや」の専務取締役黒川光晴氏を迎え、同社の歴史や和菓子づくりから、その魅力を学びます。
意外と知らない「和菓子」のこと
ロングライフな「もの・こと」をわかりやすくする勉強会「d SCHOOL」を開催しています。今回は、老舗和菓子屋「とらや」と和菓子をテーマにした勉強会「わかりやすい和菓子」を開催。その第一弾として、とらやの歴史や和菓子づくりへの思いを通して、和菓子の基本を学びます。
「とらや」とは季節の移り変わりを表現したり、年中行事と深い結びつきを持つ、日本特有の菓子である「和菓子」。本来であれば、私たちにとって最も身近な菓子であるはずが、節句とともに楽しむ文化が薄れ、和菓子屋に行くことが減ってきています。そこで、室町時代後期に創業した老舗和菓子屋「とらや」の歴史や菓子づくりを通して、和菓子の魅力を改めて知る勉強会を開催します。
「そもそも和菓子ってなに?」「和菓子ってどうやってつくられるの?」「和菓子職人はどんな仕事?」という、知っていそうで実はあまり知らない和菓子の世界を、株式会社虎屋 専務取締役の黒川光晴さんをお招きし、D&DEPARTMENT代表であり、d47食堂のディレクターである相馬夕輝が聞き手となり、わかりやすく解明していきます。当日会場では、株式会社虎屋 東京工場 工場長の森山一幸さんによる、和菓子づくりの実演も。和菓子の基本が知りたいという方も、とらやのことが大好きな方にも、ぜひ参加していただきたい勉強会です。
「とらや」とは
室町時代後期に京都で創業し、5世紀に渡り菓子屋を営む。後陽成天皇(ごようぜいてんのう)御在位中(1586-1611)より御所の御用を承り、現在に至る。
関ヶ原の戦い(1600)で、西軍の石河備前守(いしこびぜんのかみ)をとらやがかくまったという故事が京都 妙心寺の『正法山誌(しょうぼうさんし)』に記されている。当時の主人黒川円仲を中興の祖とし、現当主で17代目にあたる。
1869年、明治天皇の東京遷都にお供して、京都店はそのままに東京に店を開設。戦後、直営店を増設、順次デパートなどに売店・売場を設け、現在では国内に80店舗を数える。工場は東京、京都、御殿場の3拠点。
1980年には、海外への和菓子、および日本文化の紹介を目的としてパリ店を開設した。2003年 和と洋の垣根を超えた菓子を提案する「TORAYA CAFÉ」を立ち上げたほか、和菓子屋の原点を再現したいという想いから、2007年御殿場に「とらや工房」を設けた。黒川光晴(株式会社 虎屋 専務取締役)「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」という経営理念のもと、素材の吟味からお客様のお手元へ和菓子をお届けするまで、妥協なく和菓子づくりに取り組んでいる。
黒川光晴(株式会社 虎屋 専務取締役)
2008年米・マサチューセッツバブソン大学経営学部卒業。同年虎屋入社、東京工場で菓子製造に従事。2010年仏・とらやパリ店勤務。一旦休職し、2012年より貿易会社勤務、UAE、サウジアラビア、シンガポールなどで2013年初旬まで勤務。同年に虎屋に復職後、社長室勤務に。2015年よりTORAYA CAFÉ事業部担当。
森山一幸(株式会社 虎屋 東京工場 工場長)
1993年神奈川大学経済学部卒業。同年虎屋入社。1995年から2006年まで東京工場にて生菓子・焼菓子製造に従事。2007年、御殿場工場にて製餡を担当、その後、2011年から品質管理部、資材部を経て、2017年、東京工場工場長就任。