今年度の「都市想像会議」は“地域福祉”という言葉にフォーカスを当てたシリーズです。 今回は、地域社会やコミュニティの新しいあり方について議論していきます。
今年度の「都市想像会議」は、“地域福祉”という言葉にフォーカスを当てたシリーズで開催します。
第1回目は、地域共生社会、コミュニティヘルス……
いま、福祉に「地域」が必要な訳を野崎伸一さん(厚生労働省 社会・援護局地域福祉課 生活困窮者自立支援室長)にわかりやすく解説していただきました。
続く2回目は、猿渡進平さん(医療法人静光園白川病院 医療連携室長)と中野智紀さん(社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 東埼玉総合病院地域糖尿病センター長、在宅医療連携拠点事業推進室長、経営企画室長)をお招きし、それぞれ福岡県大牟田市、埼玉県幸手市で展開されている、個々の生活を基盤としつつ、世代や専門性を超えて関わる地域ケアのシステムについておうかがいし、地域社会やコミュニティの新しいあり方についてポイントを抽出し、議論していきます。
少子高齢社会が進む日本では社会構造の急激な変化が求められています。
いま家庭や地域、仕事や子育て、介護や福祉、医療のあり方まで幅広いシステム全体を見直し、都市のあり方を再構築する必要が迫っています。
特にかつてない高齢者率の増加により介護や福祉の従事者も年々増え続けていますが、従来の行政や民間のサービス型だけでは支えきれないと、厚労省は2017年に「地域共生社会の実現」を掲げ、医療と地域の連携によって、介護や認知症に対する理解の促進から、高齢者雇用、健康維持の工夫、セカンドライフ、医療との関わり方など、課題解決を工夫していくことが求められています。
逆に言えば、生活全般のなかで、高齢者だけでなく、障害者や子どもも含めた地域のあり方を考えなければならない時代でありながら、医療や福祉が身近で豊かなまちの一部として十分ではないことに取り組まなければならないということでもあります。
こうした現実を背景に、本年度の都市創造会議では通年テーマを「地域福祉×都市」とし、豊かなまちの未来を健康とソーシャル・インクルージョンの観点から見ることで、コミュニティの新たな役割との関わりに着目し、全5回(*6回目も検討中)を連続し、各回ごとにまちの仕組みや担い手のあり方、施設運営やコミュニケーションの工夫などの視点に分けて議論を進め、最終的に具体的な実現へと繋げられる提案にまとめていくことを目指します。
<「都市想像会議」について>
新機軸(イノベーション)を生むには、想像力(イマジネーション)と創造(インベンション)が必要です。人口減少や高齢化などの課題を抱える日本の都市の未来像を想像し、日本ならではの都市文化を世界に発信できる都市づくりを市民主体で考える場が「都市想像会議」です。
分断されてきた福祉や介護、交通、まちなみ、暮らし、企業・起業などを横断的に議論し、知見をつなぎあわせ、都市に対するリテラシーを育み、都市の神経系をつなぎなおして新しい価値と実践を行うことを目指しています。
2015年6月1日以来、「マイノリティ」「祭り」「才能」「図書館」「社会的企業」「10代」「観光」と都市を多様なテーマで切り取りつつ、これからの社会の在り方を見定めたいと思っている人々とともに、公開会議を行っています。また、会議後は毎回レポートと議事録をシブヤ大学のホームページにアップしています。
■登壇者
猿渡進平(さるわたり しんぺい)
医療法人静光園白川病院 医療連携室長
中野智紀(なかの ともき)
社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 東埼玉総合病院
地域糖尿病センター長、在宅医療連携拠点事業推進室長、経営企画室長
■ファシリテーター
左京泰明(シブヤ大学学長)
紫牟田伸子(編集家/プロジェクトエディター/デザインプロデューサー)