都市文化の発信拠点であり続ける渋谷の歴史を振り返りつつ、コロナ禍を経た現代においてどのような新しい文化を生み出せるのかを考えるトークショー。
「渋谷セカンドステージ」では、渋谷ヒカリエ 8/COURTを舞台に、PLANETSと東急株式会社が共同で、渋谷から新しい文化を発信することをテーマに様々なトークショーを開催しています。第25回となる今回のテーマは「渋谷再発見」です。
1970〜80年代のパルコ文化から1990年代の渋谷系やギャル文化、2000年代以降のビットバレーまで、つねに東京の都市文化の発信拠点であり続けてきた渋谷。
近年では、2012年の「渋谷ヒカリエ」、17年「SHIBUYA CAST.」、18年「渋谷ストリーム」、そして19年の「渋谷スクランブルスクエア」開業など、さまざまな特色を持たせた再開発が進んでいます。
一方で、コロナ禍を経た2020年代現在では、非日常的な消費の場を通じた文化形成は頭打ちになり、より日常的な居住と生活の場に密着した、新たな都市文化づくりが求められています。そのヒントを、今の渋谷の街から見つけるとしたら…?
かつて渋谷公園の奥にある公共放送局のSNSアカウントの「中の人」をつとめた作家の浅生鴨さん、東京のユースカルチャーをご自身でも体現するアーティスト・草野絵美さん、「喫茶ランドリー」など「1階」の目線でのコミュニティづくりの場を展開する田中元子さん、渋谷の都市文化の発展史に詳しい社会学者・南後由和さんとともに、じっくりと考えます。
■出演者■
浅生鴨(作家・広告プランナー)
草野絵美(アーティスト・Satellite Youngボーカル)
田中元子(株式会社グランドレベル代表取締役社長、喫茶ランドリーオーナー)
南後由和(明治大学情報コミュニケーション学部准教授)
【司会】宇野常寛(評論家・PLANETS編集長)
■プロフィール■
浅生鴨(作家・広告プランナー)
1971年、神戸市生まれ。たいていのことは苦手。さまざまな業界・職種を転々としたのち、現在は主に執筆活動に注力している。著書に『アグニオン』『猫たちの色メガネ』『どこでもない場所』『だから僕は、ググらない』、さまざまな媒体に書いた原稿を自身でまとめた『雑文御免』『うっかり失敬』などがある。座右の銘は「棚からぼた餅」。最新作は『あざらしのひと』
草野絵美(アーティスト・Satellite Youngボーカル)
1990年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。株式会社 Fictionera代表取締役。2022年より国内外でNFT事業に取り組む。東京藝術大学非常勤講師、歌謡エレクトロユニット「Satellite Young」歌唱担当・主宰。音楽を中心に、未来のテクノロジーに対して問いを立てるインスタレーション等を手がける。著書に「ネオ子育て」。
田中元子(株式会社グランドレベル代表取締役社長、喫茶ランドリーオーナー)
ライター・建築コミュニケーターとして、建築関係のメディアづくりに従事。2016年「1階づくりはまちづくり」をモットーに、豊かな1階づくりに特化した株式会社グランドレベルを設立。空間・施設・まちづくりのコンサルティングやプロデュースなどを全国で手がける。2018年私設公民館として「喫茶ランドリー」開業。2019年より街中にベンチを増やすための活動「TOKYO BENCH PROJECT」を始動。主な著書に「マイパブリックとグランドレベル」(晶文社)ほか。
南後由和(明治大学情報コミュニケーション学部准教授)
専門は社会学、都市・建築論。1979年大阪府生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。デルフト工科大学、コロンビア大学、UCL客員研究員などを歴任。主な著書に『ひとり空間の都市論』(ちくま新書)、『商業空間は何の夢を見たか』(共著・平凡社)、『建築の際』(編・平凡社)など。大学のゼミで『Tokyo Scope 2021』(Tokyo Scope Books)を出版。
【司会】宇野常寛(評論家・PLANETS編集長)
1978年生。評論家として活動する傍ら、文化批評誌『PLANETS』を発行。主な著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)ほか多数。