社会のデジタル化が進む一方、見知らぬ他者への無関心・分断も起こりがちな現代において、街の公共性はどうあるべきか考えます。
「渋谷セカンドステージ」では、渋谷ヒカリエ 8/COURTを舞台に、PLANETSと東急株式会社が共同で、渋谷から新しい文化を発信することをテーマに様々なトークショーを開催しています。今回のテーマは「公共空間」です。
インターネットが普及しはじめてからおよそ四半世紀。コロナ禍を経た2020年代では「リモートワーク」や「メタバース」といった用語も頻繁に耳にするようになり、社会のデジタル化はますます加速しています。
一方で個人の興味関心がダイレクトに事物と接続する情報環境では、フィルターバブルや陰謀論が象徴するように、かえって見知らぬ他者への無関心・分断を引き起こしてもいます。このような時代に街の「公共」性はどのようにあるべきなのか。文化形成の物理的空間としてあり続けてきた渋谷の場で、「これからの公共空間」について議論します。
ハッシュタグ「#shibuya2nd」
※松田さんはオンライン登壇です。
■登壇者■
門脇耕三(建築家・明治大学准教授)
熊谷玄(ランドスケープデザイナー)
橋本ゆき(渋谷区議会議員)
松田法子(京都府立大学大学院生命環境科 学研究科准教授)
【司会】宇野常寛(評論家・PLANETS編集長)
■登壇者プロフィール■
門脇耕三(建築家・明治大学准教授)
1977年神奈川県生まれ。2001年東京都立大学大学院修士課程修了。東京都立大学助手、首都大学東京助教などを経て現職。現在、明治大学出版会編集委員長、東京藝術大学非常勤講師を兼務。専門は建築構法、構法計画、建築設計。効率的にデザインされた近代都市と近代建築が、人口減少期を迎えて変わりゆく姿を、建築思想の領域から考察。建築の物的なエレメントへのまなざしに根ざした、独自の建築論も組み立てている。
著書に『シェアの思想/または愛と制度と空間の関係』(LIXIL出版,2015)、建築作品に《門脇邸》(2018)など。
熊谷玄(ランドスケープデザイナー)
1973年横浜生まれ。現代美術作家Studio崔在銀のアシスタント、earthscape inc.を経て、2009年3月STGK Inc. (株式会社スタジオゲンクマガイ) 設立。ランドスケープデザインを中心に、人の暮らす風景のデザインを行なっている。
愛知県立芸術大学(2011年~)、東京電機大学(2017年~)、千葉大学(2018年~)にて非常勤講師を務める。一般社団法人ランドスケープアーキテクト連盟理事。
橋本ゆき(渋谷区議会議員)
渋谷区議会 最年少議員。東京大学文学部 卒業。
アイドルグループ「仮面女子」メンバー桜雪(さくら ゆき)としてタレント活動ののち、報道番組、選挙特番などでコメンテーターを務める。
誰もが「明日も頑張ろう」と思える社会を実現するため、仮面女子を卒業、政界へ。ダイバーシティ施策・女性の健康支援・まちづくり・エンタメ支援などに取り組む。
松田法子(京都府立大学大学院生命環境科 学研究科准教授)
1978年生まれ。建築史、都市史。主な著書に、『絵はがきの別府』(単著、左右社、2012年)、『危機と都市 ─ Along the Water: Urban natural crises between Italy and Japan』(共編著、左右社、2017 年)など。
【司会】宇野常寛(評論家・PLANETS編集長)
1978年生。評論家として活動する傍ら、批評誌『PLANETS』『モノノメ』を発行。主な著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『母性のディストピア』(集英社)、『遅いインターネット』(幻冬舎)、『水曜日は働かない』(ホーム社)ほか多数。