多摩美(の)彫刻学科(の)大学院(の)前期(の)優秀作品(を)見てくれ。
多摩美術大学大学院彫刻専攻選抜展は、修士課程彫刻専攻にて選抜された成績優秀者による展覧会です。毎秋、学外施設にて実施しています。
第16回目となる今年度ははじめて渋谷ヒカリエに会場をすえ、5人のつくり手による多種多様、多彩な作品展示を行います。
修士課程修了後の作家活動を見据えて日々制作に励む彼らの本気をしかとご覧ください。
展覧会タイトル「すぐには届かないシナプスの香り」 "Synaptic Foreshadowings : The Shape of Thoughts to Come”について:
展覧会タイトルは毎年、展示メンバーが自分たちの作品展示に合ったタイトルを全員で考えて決定しています。
今年度のタイトルはイギリス人作家ハ-バート・ジョージ・ウェルズによるSF小説"The Shape of Things to Come”(1933年)にインスピレーションを得ました。第一次世界大戦を経てつぎの戦争を予見するかのように書かれた同作では、結末にテクノロジーの進化と技術革新によって人類が繁栄する未来が描かれており、90年を経た現在のアクチュアリティにおいても示唆に富んだ作品として読むことができます。
本展覧会の5名の作家は、あたりに漂うかすかな香りに気がつくように、直感的・感覚的に得たまだ見ぬ何かを作品として具現化しています。
それらは未来予知なのか、現代をしたたかに生き抜くささやかな知恵なのか、はたまた従順でお利口でいることへのプロテストなのか。「すぐには届かない」不確かさが含む意味の豊かさをお楽しみください。