日本の美術シーンを新しい視点で切り開く「ヒカリエコンテンポラリーアートアイシリーズ」の第15回目を開催します。
今回のヒカリエコンテンポラリーアートアイ は、3人の方に「美術の未来」というのを念頭に置いてもらって、アーティストを選出してもらい展示してもらうことになりました。その3人は、アーティストでもあり美術批評もしている石川卓磨さん、美術評論家の中尾拓哉さん、インディペンデントでキュレーションをしている水田紗弥子さんです。3人の視点で5人のアーティストが選ばれ、展示されます。それぞれの美術の空間と彼らの美術への希望をお楽しみください。(監修:小山登美夫)
◆石川卓磨ー伊部年彦
伊部年彦の「顔」のシリーズは、顔を描いたというよりも絵画が顔貌化しているといった方がいい。顔のメッセージは言葉よりも先にこちらにやってくる。この顔たちは風景や異星人のようでもある。ここでは絵画を見るのではなく、顔=絵画たちに出会うのだ。(石川卓磨)
石川卓磨(美術家、美術批評)
1979年生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科卒業。最近の評論に「ヒップホップとしての絵画」、その新しさとは? 石川卓磨評「千葉正也個展」(ウェブ版美術手帖、2021年)、「特権的な眠り—福永大介「はたらきびと」展」(『ARTcollectors'(アートコレクターズ) 』、2021年 1月号)、「眠りと彫刻—中﨑透「Human Landscape」展」(『美術手帖』、2020年12月号)などがある。
◆中尾拓哉ー長田奈緒、玉山拓郎
既製品―レディメイド―を通じて制作を続ける長田奈緒と玉山拓郎。もとになる地点は同じでも、二人の表現は互いに別の次元へと広がっている。複合商業施設で、既製品と既製品によく似たものが反転し、既知と未知が相互に交換し合う、そんな一室をつくりたい。(中尾拓哉)
中尾拓哉(美術評論家、芸術学)
1981年生まれ。近現代芸術に関する評論を執筆。特に、マルセル・デュシャンが没頭したチェスをテーマに、生活(あるいは非芸術)と制作の結びつきについて探求している。著書に『マルセル・デュシャンとチェス』(平凡社、2017年)。編著書に『スポーツ/アート』(森話社、2020年)。主な論考に「アート・イン・ザ・ゲーム――ゲームアート前史」(『美術手帖』2020年8月号)など。『NOT FAR』(ニューバランスジャパン)にてス
ポーツとアートについてのエッセイ「ANOTHER DIAGRAM」を連載中。
協力:Maki Fine Arts, Anomaly
◆水田紗弥子ー下山健太郎、野原万里絵
歩き、話し、動き、視点をずらし、大きさを自在に変えることで、現れる象(かたち)をさぐり、ひろい、試しながら創造する野原万里絵と下山健太郎の制作プロセスは「わたくしといふ現象は/仮定された青い有機交流電燈の/ひとつの青い照明です」という宮沢賢治の『春と修羅』の「序」の部分を想起させる。
(水田紗弥子)
水田紗弥子(Little Barrel キュレーター)
1981年生まれ、東京在住。フリーランスにて現代アートに関する展覧会、フェスティバル、アートアワードなどの企画・運営、コーディネートに携わる。企画した主な展覧会として「もの・かたり—手繰り寄せることばを超えて」(ヒルサイドフォーラム、2019年)、「Alterspace —変化する、仮設のアート・スペース」(アサヒ・アートスクエア、2014年)、「皮膚と地図:4名のアーティストによる身体と知覚への試み」(愛知芸術センター、
2010年)などがある。
助成:アーツサポート関西
<ご来場のお客様へのお願い>
○ご来場の際は、受付にて検温を行っております。37.5度以上の方のご入場はお断りさせていただきます。
○ 会場内では、マスク着用・咳エチケットの徹底と、手指のアルコール消毒、⼈と⼈との間隔(1m)を空けるようご協力をお願いいたします。
〇体調が優れない場合や発熱がある場合は、ご来場をお控えください。
〇会場の状況により入場制限を設ける場合がございます。予めご了承ください。
お客様には大変ご不便をおかけしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。