NIPPON VISION GALLERY 京都「金網つじ」。
残すところわずか。9月5日(木)までとなりました。
今回は金網つじ二代目で、金網職人でもある辻徹さんに
インタビューした内容をご紹介します。
たくさんお話しすぎたので、印象的なものをふたつだけ。
唐突な質問に真摯にお答えいただきました。
Q.辻さんの考える伝統技術とはなんですか?
伝統技術=守るもの、受け継ぐものという一般的なイメージがあると思うんですが、ちょっと違う。
技術は向上するものだし、伝統もその時代にあわせて変化していくもの。
自分がめざすところは“脇役の品格”を保ちながら、
今の時代やライフスタイルにあったものづくりをしていくことです。
Q.10年後どうなっていたいですか?
とにかく職人を増やしたい。本当の意味で職人が当たり前に生活ができる環境をつくりたいんです。
弟子は師匠の技を見て、盗んで成長するといったような、
一人前になるまでに何年も何十年もかかるようなことを少しでも変えていければと。
まだまだこれからですが、とある大学の研究室と
技術を数値化するという取り組みなんかもはじめています。
あとは、京都という場所を最大限に活用すべきだとも考えています。
伝統ということにおいて京都はものすごく影響力のある場所だと思う。
だから、自分のような若い職人たちが集まってこの世界を動かしていくこと、
それが、日本中の職人に良い意味で波及していくことを願っています。
31歳という若さながら、抱えているものはすごく大きい。
でもこういう人たちが、志し高く日々取り組んでいるということは、
同世代の私たちにとってとてもエネルギーになりました。
先日のワークショップでも、人懐こい人柄と軽妙なトークで、
参加者を虜にしていた辻さん。
私も含め職人さんというイメージがすでに変わった方も多い気がします。
真面目でお茶目な辻さんがつくる道具を、是非店頭でご覧ください。
d47 design travel store 吉田