今回のd SCHOOLは、「わかりやすい泡盛」。
泡盛というとなんとなく度数の高いお酒、というイメージどまりの方も少なくないはず。
そんな泡盛の魅力を知ってもらおうと、はるばる沖縄から「泡盛乃店 琉夏(りゅうか)」の店主、
小野あきおさんにお越しいただきました。
小野さんとの関係は、d design travel 沖縄号で小野さんのお店を紹介させてもらってから。
小野さんは京都に住んでいたころ、沖縄を訪れた際に泡盛に感動して、沖縄に移住されたそうです。
「蔵をまわって、自分でおいしいと思ったものを店に置いています。
安くておいしい泡盛をみんなに飲んでもらいたいんです」と熱く語るその姿は、
"うちなんちゅ(沖縄の人)"そのものですね。
(「泡盛乃店 琉夏」店主の小野さん)
そんな小野さんと一緒に、第1回はまず「泡盛を”知る”」ことから始めましょう。
聞き手はd design travel 沖縄号で小野さんを取材した、編集部の神藤。
泡盛を知るにはもちろん、実際に飲んで、食べてみることが欠かせませんが、
そのお楽しみは後ほど、、
まずは泡盛って何?というところから。
実は泡盛は、焼酎の一部に分類されます。
そして、泡盛の原料はお米。泡盛にはいわゆるタイ米という細長いインディカ米がよく使われます。
焼酎に使われるジャポニカ米より、香りが高いお米です。
焼酎の仲間で、原料が米ならば、同じく原料を米とする米焼酎とは何が違うのでしょうか。
違いはおおまかに2点。
使っている麹の種類と、仕込みの方法です。
米焼酎は白麹、泡盛は黒麹が使われていて、黒麹は原料の持つ風味を存分に活かすと言われています。
仕込み方法の違いはというと、焼酎は「2段仕込み法」といって、米麹でつくった一次もろみに、
米や麦・芋を加えて発酵させる二次仕込みを行います。
二次仕込みで加えた原料によってそれぞれ、米焼酎、麦焼酎、芋焼酎となるわけです。
いっぽう泡盛は、二次仕込みをせず、米麹だけで作られます。これを「全麹仕込み」といいます。
泡盛は香りの高いお酒と言われていますが、
原料や仕込み方法にその理由があったのですね。
専門用語がどんどん出てくる中、みなさん真剣に聞き入っています。
そしてとうとう小野さんのお話を体で体感する時間がやってきました。
度数、貯蔵方法、原酒、一般酒でそれぞれ呑み比べです。
今回は、恩納酒造所さん、神村酒造さん、咲元酒造さんから美味しい泡盛を送っていただきました。
酒呑みのあこがれ、45度を超える50度のお酒も!
この会用に、特別に出していただいたものばかりで、
「ほんとにこれ、初心者コースなの?」という声があがるほど、
おいしくて珍しいお酒をたくさんご用意していただききました。
そしてd47食堂からは、スタッフが腕によりをかけたおつまみが届きました。
島らっきょうの塩漬け、太もずくの天ぷら、ラフテーなど、どれも泡盛に合います。
呑み比べの中でも一番印象に残ったのは、貯蔵方法での違いでした。
ステンレスタンク、甕、樽と、素材に分けて比べました。
ステンレスタンクのものはすっきりとしていて辛め、甕はまろやか、樽は芳醇な香りが際立っていたように感じました。
私はウイスキーが好きなので、樽仕込みの味が好みだということを発見。
今後の泡盛選びの基準ができて、満足です。
みなさんもぜひ、貯蔵方法にも注目してみてください。
どんどん呑み比べは進みます。
最初は、度数の高い泡盛を少量ずつ、鼻で香りを感じるように呑み比べていましたが、
最後の方はお食事も楽しめる呑み方で泡盛をいただきます。
焼酎と同じように、水で割ったりするのもよし、シークワーサーを入れると
泡盛の香りもやわらいで呑みやすくなり、お酒が強くない人でも、楽しめそうです。
勉強会に参加する前は、泡盛をどういう風に呑むのか、
どんな種類が美味しいのか、そもそも泡盛っていったい何なのか?
全く知らないことだらけでした。
ですが、貯蔵方法の違いによっても、自分の好きな泡盛が探せるということや
焼酎と同じように、気軽に水割りやロックで楽しめること、
どんな食事にも合うことがわかり、これまでよりも泡盛を身近に感じることができた勉強会でした。
参加されたみなさんも、泡盛を身近に感じていただけたようで
笑顔で「次回も楽しみにしています」とお声掛けいただきました。
私自身も、また泡盛に近づけると思うと、今から楽しみです。
次回も、お待ちしています!
d47 design travel store 中村千晶