現在開催中の砥部焼まつりも、残すところあと2週間あまりとなりました。
NIPPON VISION GALLERYでは恒例となっている砥部焼ですが、
あらためて、砥部焼と2つの窯元さんの紹介をしたいと思います。
砥部焼は愛媛の中央部にある砥部町でつくられています。
もともと砥石の産地で有名で、江戸時代には「伊予砥」
砥石を切り出す際に出てしまう大量の砥石クズを、
砥部焼のはじまりです。
砥石が材料なので、実は砥部焼は陶器ではなく磁器なのです。
土でつくられる陶器に比べ、
かつては磁器は高級品でしたが、
日常使いの器をつくることを目指しました。
そして原料の土の堅さから、
全体的にぽってりとした形が多いのも、砥部焼の特徴です。
その砥部焼の窯元さんで、今回も梅山窯さんと中田窯さんから
たくさんの器を送っていただきました。
この2つの窯元さんの一番の違いは、絵付けの仕方でしょうか。
梅山窯さんは赤絵(あかえ)といって、
もう一度赤を入れて焼いています。なので、赤色が鮮やか。
肌触りも滑らかで、透明感があります。
(梅山窯・そば猪口小 左:呉須赤菊 右:縦呉須赤線 各1,080円(税込))
一方、中田窯さんは釉裏紅(ゆうりこう)という手法。
文字のとおり、下絵付けした後に釉薬をかけて焼いているので
釉薬の下から見える柄が柔らかい印象になります。
鉄分を含んでいる生地の黒い斑点が特長的。
(中田窯・そば猪口小 左:椿 右:格子 各1,080円(税込))
同じ産地でも、
更に、一つ一つ手作りなので、
じっくり見ていただければ、お好みの器に出会えるはずです。
そば猪口の他に、箸置き、平皿、マグカップ、
普段の食卓で活躍できる器が揃っています。
最後に、今回ご紹介したそば猪口ですが、
コーヒーカップとして使ったり、ヨーグルトやアイスを入れたり、
そばつゆ以外にも使える、一器多用な器です。
スタッフがお粥を入れてみたときの写真。
意外にたっぷり入ります。
選ぶ楽しみを味わいに、ぜひご来店ください。
d47 design travel store 中村千晶