現在、d47 design travel storeで開催している「宮崎 白玄堂の新茶」特集。
白玄堂の新茶フェアを行うのは今年で3回目。今回は、宮崎県より白玄堂の白尾尚美さんを講師にお招きし、
お茶についての勉強会を行いました。
白玄堂は、宮崎のお茶を広めようと日本を駆け巡って活動している、宮崎市にあるお茶屋。
よい茶葉を作る、信頼できるお茶の生産農家さんと一緒に土づくりから関わり、
毎年出来上がる新茶の状態にあわせて茶葉をブレンドして商品をつくります。
毎年10校の学校をまわり、今までに約一万人の小中高校生に宮崎のお茶について教えてきているという白尾さん。
話がとてもわかりやすく、おもしろい。受講生も前のめりになってきます。
お茶の種類について学んだあとは九州のお茶について。
宮崎県は荒茶生産量が日本で4位。トップ10に九州から5県ランクインというのが驚きです。
お茶をつくるときは、ブレンドしてつくることが一般的だそうですが、
ブレンド茶の50%以上がその土地の茶葉であれば、その土地が生産県となり、
宮崎県のお茶が使われていても、別の県の名前で販売されていることもあるそうです。
「飲んでみなければわからない」という白尾さんの言葉通り、
スクリーンを見ての「お茶の基礎」講義は20分くらいで終了。すぐに「実践」に移りました。
まずは、茶器の使い方。鉄瓶や土瓶、急須の説明と特徴、なぜ、その道具を使うかを教えてくださいました。
かいつまむと、手を添えて持てる急須は、湯冷ましして飲むお茶用(煎茶や深蒸し茶など)。
土瓶は、熱湯を入れて飲むお茶用(ほうじ茶や玄米茶など)だそうです。
茶器について学びながら、試飲に移ります。
今年の「新茶」の試飲の前に、ブレンド前の、宮崎で摘んだ5つの茶葉をそれぞれ試飲しました。
左から、清武ゆたかみどり、(釜煎り茶:こちらは新茶に入っていません)、田野やぶきた、都農さえみどり、
高岡やぶきた、北浦町さえみどり。水色も味も香りも異なります。
その後、5つをブレンドした「新茶」を、和菓子と供にいただきました。
白尾さんが淹れてくれた新茶は、甘み、苦み、渋味のバランスがよく、旨味を感じ、香りも引き立ちます。
お茶を淹れたあとの急須の茶葉の香りは、まさに淹れたお茶の香り。良し悪しがすぐにわかります。
そのまま茶葉も食べられるのだとか。
和菓子はd47食堂より、京都の「わらび餅」を作ってもらいました。
「新茶」は和菓子によく合うそうです。
洋菓子に合うお茶も白尾さんに選んでいただきました。
九州で日常よく飲まれる“釜炒り茶”です。葉を摘んだあと、煎茶が蒸すのに対し、釜炒り茶は釜で炒ります。
なかでも、白玄堂の「かなで」は、洋菓子や肉料理に合うそうです。
洋菓子は、白玄堂が運営するお茶カフェ「HAKUGENDO CHAYA」でも出される、
宮崎在住のパティシエと白玄堂のお茶がコラボした煎茶ブラウニー。
「かなで」のほのかな甘さがブラウニーとよく合いました。
白尾さんの淹れてくれたお茶を飲みながら、質問タイムです。
茶葉の保存方法やおいしい冷茶の作り方など質問もつきません。白尾さんも話がつきません。
生産農家の現状、無農薬や有機肥料などについても詳しく、率直にお話しいただきます。
白尾さんのお話しに惹きつけられて、翌日もたくさんの受講生が白尾さんへ会いにd47へ来てくださり、
みなさん納得して宮崎のお茶を購入してくれました。
宮崎へ行きたいという方、白尾さんに会いに行ったという方も。
生産農家と消費者を「つなぐ人」、「伝える人」。白尾さんの役割は大きく、
私もそうでありたいと心から思った勉強会でした。
d47 design travel store 澤田