福岡県南部筑後地方で200年、日本人が風土とともに育んだテキスタイル「久留米絣」の魅力を体感する。
約200年前に、少女が生み出した久留米絣。その反物から仕立てた着物は、もともと庶民の普段着として親しまれ、明治時代には商人の活躍もあり全国にその名が広まりました。60年代頃を境に、藍染めから化学染料による染色へ、手織りから機械織りへと生産効率を上げた事で、地域の産業として存続させてきました。時代の変化とともに生産体制を変えながら現代まで続いてきた久留米絣ですが、やはり近代の洋装化で着物は非日常の服となり、反物の需要は激減しているのが現状です。
今回は、地元の織元と協力し、産地に寄り添いながら久留米絣の現代での継続と可能性を模索し続ける「うなぎの寝床」が手がけた久留米絣を使った普段使いの装いと、私たちが産地で買い付けてきた久留米絣の生地やその生地で作ったオリジナルのアイテムをご用意いたしました。久留米絣がこれからも長くつづくために、久留米絣を現代の暮らしにも楽しんで取り入れてみてください。
\トピック その①/
久留米絣の生地、切り売りします。
産地の織元で保管されていたデッドストック生地を「生きた在庫」=「MATERIAL FROM LIFESTOCK」として販売します。50cm単位で切り売りいたします。
今回は「白絣」とよばれる、地色が白の絣や定番のあられやドットなど入荷。ちなみに久留米絣は5mあれば、もんぺがつくれますので型紙と合わせてお楽しみください。
\トピック その②/
久留米絣のFROM LIFESTOCK 製品
産地に保管されている生地や、生地見本を再利用するプロジェクト「FROM LIFESTOCK」。久留米絣でつくるFROM LIFESTOCK 製品からおなじみのサコッシュ、京都店でのみ取り扱いをしている念珠ケースや扇子ケースをご用意しました。開催店舗のみで限定販売。※画像はイメージです。
<ラインナップ>
サコッシュM /念珠ケース/扇子ケース
\トピック その③/
久留米絣の魅力を体感できる うなぎの寝床の普段使いの装い
久留米絣の多種多様な柄や色、技術をつたえるためにつくられた「いろはもんぺ」を中心に、久留米絣のハンカチや靴下など普段使いの装いが期間限定で揃います。もんぺは一点物も多いのでお早めに。
主なラインナップ
いろはもんぺ/もんぺの型紙/久留米絣ハギレ/久留米絣ハンカチ/もんぺした/くくり糸の靴下 ※セレクトは開催店舗によって異なります。
<知ったら楽しい久留米絣の「柄」のはなし>
久留米・八女・広川・筑後を中心に発展してきた伝統工芸である久留米絣。経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を括り(くくり)・染め、できる模様は古典的なものから、現代的なものまで幅広くあります。それぞれの工房で特徴があり技術と得意とする分野は多様です。柄の種類をすこし知っておくと「あー、これは縦絣だね。いいね。」なんてちょっと評論家になった気分で「久留米絣」選びをより楽しめますよ。また、久留米絣の製作工程をつたえる展示も巡回致します。
経絣(たてかすり)
経糸(たていと)を括って絣糸をつくり、柄を織り出します。幾何学的な模様を表現することが多く、典型的な柄としては「矢絣」があります。
緯絣(よこかすり)
花柄や風景など曲線を活かしたやわらかい柄をつくるときは、緯糸(よこいと)を括って絣糸をつくり、柄を織ります。
縦緯絣(たてよこかすり)
経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を括り、柄を織ります。柄合わせが難しく、熟練の技術が必要となる絣。典型的な柄としては「十字絣」があります。山笠の法被などもほとんどが縦緯絣。
文人絣(ぶんじんかすり)
一般的に男絣と呼ばれる、とても柄の細かい絣。括りではなく織締という方法で絣糸を作るのが特徴です。物書きが好んで着用することが多かったので文人絣と呼ばれました。
うなぎの寝床
福岡県八女市を拠点に「九州・筑後のものづくり」を発信するアンテナショップ。地元の魅力的な物を、作り手のことや、使ってみた実感を伝えながら展示・販売。修理対応ができるように、商品の仕入れは「車で1日で行ける範囲」の場所で行う。
http://unagino-nedoko.net/