創業は明治5年、当時は農作業用の股引用の藍染織物を生産し、
現在では剣道着として知られる「武州正藍染」をはじめとした幅広い織物を手がけています。
染めから織りまで一貫して行っているのも小島染織さんの大きな特徴。
入り口では大きな煙突がお出迎え。かつてはここで熱源をつくられていたそうです。
さっそく工場の中へ出発です!代表的な7工程を順番に巡ってみます。
1、綛上げ(かせあげ)
まずは、糸を染めるための準備。
カセ上げ機によって、一定の長さの糸束をつくります。
2、糸たたき
カセの状態で糸を叩きます。糸切れや綾が出ないようにするだけでなく、
糸染めの際に色を浸透しやすくします。工場内には綛上げされた糸が山積みに。
3、綛染め
ついに染めの行程。藍液に、浸けて、絞る、を繰り返します。
近くで見ると、藍染の液は黄緑色でした。
空気に触れて酸化することで、よく見る藍色に変化するそうです。
機械で上がって来た糸を、職人さんが手でほぐしながら作業を繰り返します。
この作業は人の手でないとできないとのこと。これが終わると、糸を洗い、糊付です。
各工程の中で、職人さんが若い方が多いのも驚きです。
4、干し
糸を乾かします。
ここは天日干しをする際に使用する場所。
天日干しをすると、適度な湿気が保たれ、ふっくらするとのこと。
5、チーズアップ
カセの状態から、チーズ(糸を円柱に巻き付けた)の状態へ巻き直します。
糸から織物にするための準備工程。
6、整経
経糸を巻き取り、織り機に据え付けます。
数えきれない程の細い糸は、手作業で通しているとのこと。コレ、切ってしまったら大変です。
最後は大きなビームに巻き付けられていました。
7、製織
シャトル織機で織り上げます。
織機の場所に入った途端、隣の人の声も聞こえないような、ガシャンガシャンという音が。
シャトルが凄い速さで動いていましたが、これでもゆっくり織られているとのこと。
ゆっくり織られる分、糸に余分な力がかからず、ふっくらした風合いになるそうです。
初めて見る機械とその動きに、ものがつくられている現場を実感します。
「藍染」の他にも「染色」も行っているので、工場内には様々な機械がありますが、
最後に見せて頂いたのは、排水処理施設。工場のすぐ裏に独自の施設を完備しています。
色の付いている水が、最後には透明な水になって出て来ていました。
水があってこその染色加工だけあり、環境への取り組みも、世間で騒がれる前から取り組まれているそうです。
代表の小島秀之さんにもお話をお聞きすることが出来ました。
お話のなかで、「伝統工芸品などは、なにも変化をさせていかなければニーズがすぼまってしまう。
でも、新しい視点でものを作れば、今までのニーズの中にいなかった人達へアプローチが出来る。
そうすれば結局はニーズが広がって行く。結局は使ってもらえるということが一番です。」
というお話を聞いて、この「47 textiles today」の企画の本質は、このような考えの中にあると改めて感じました。
渋谷ヒカリエのd47 MUSEUM会場では、カバンやブックカバーなどを販売中です。
なかなか日本中を回る事はできませんが、それぞれの地域でつくられたものから、
その土地が大切にしてきた、47都道府県のものづくりを見に来て下さい。
小島染織さんのWEBページでは、工場のマップなども詳しくのっています。
分かりやすいので、より詳しく知りたい方はコチラも併せてどうそ。
最後に小島染織のみなさま、お仕事中にお邪魔しました。
ご丁寧なご説明ありがとうございました。
日時 2013年11月21日(木)から2014年2月2日(日)
11:00~20:00 (入場は19:30まで)
会場 d47 MUSEUM 渋谷ヒカリエ8F
入場無料