モノを包み、そして運ぶ。届ける。
それらは、布製品の担ってきた重要な役割の一つです。
今回は、包むということに焦点を当てていくつかご紹介致します。
三重県「丸川商店」の、松坂木綿のあづま袋。
あづま袋とは、風呂敷を縫い合わせて袋状にしたもの。
一枚の布でモノを包む日本の文化に、バッグという西洋の文化が混ざってできたものだそう。
袋状でありながら、口を縛ることで大きさが変えられる、和洋の「いいとこ取り」な形なのです。
エコバッグとしてカバンに忍ばせておくのもいいですし、
籠バックのインナーにしてちらっと見せてもポイントになりそうです。
滋賀県「シルクライフジャパン」の、浜ちりめんを使用したしずく袋。
滋賀にゆかりのある大津袋をヒントに考案されたそうです。
ご家庭で洗濯可能な「ウォッシャブルシルク」なので、日常使いにも一役立ちます。
リバーシブルのため雰囲気も全く異なるので、結ぶとチラリと見える違う柄がポイントです。
神奈川県「LINK」の風呂敷は、創業50年の福田捺染がプリントを手がけています。
90×90cmの大判なので、こんな風に結んでバッグにしたり、
また、洋服にも馴染みやすいデザインなのでスカーフとして使用することも出来ます。
長野県「藤本」の風呂敷は、結城・大島と並ぶ三大紬のひとつ、上田紬の伝統を引継いでいます。
色や柄、染めの厳格な規制がないため、生産者の数だけ個性があると言われている上田紬。
ただお土産を持って行くだけでなく、こんな風にちょっと工夫するだけで、相手の喜びも倍増ですね。
わたしたちの身近にある布。
袋というかたちになっていなくても、少し工夫をすれば個性溢れるバッグになったり、
包装に使える等、包み方次第でいろいろな楽しみ方が出来ます。
また、一度使って捨てるのではなく、何度でも使う事が出来るのも布物の魅力ですね。
素敵な風呂敷などを見つけても、
何に使おうか悩んでしまいなかなか手が出せずにいましたが、
これからは「包む」ということも意識して、選んでみようと思いました。
d47 MUSEUM 矢島