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04/d47 MUSEUM

「文化誌」って何だろう。

d47 MUSEUM、第9回企画展のテーマは「文化誌」です。
「文化誌が街の意識を変える展」として、3月27日から6月15日まで開催します。
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「文化誌」って何だろう。

d47 MUSEUMが選考段階で「文化誌」の定義として挙げたのは以下の5つ。

① その土地らしさがあり、それを外に向けて発信している

②個人的ではなく、地域の向上を目的としている

③メディアとしての発行部数がある

④その土地のひとがやっている

⑤デザインの工夫があるもの


有料無料は問わず、休刊、廃刊していても良いものであれば紹介しています。
候補は、私たちの手元に届いて来るものや、書店、各都道府県の東京事務所の方や、
Facebook上でD&DEPARTMENTが作っている、47都道府県、れぞれの公開グループなど、、、
多くの方にご協力いただき、とにかく実際にひたすら読んで、選定を行いました。_MG_2306.jpg

どの地域にも、必ず生活情報誌があり、地元の人にとってはすぐに使える情報が掲載され、
中にはクーポンも付いていて便利。ですが、パラパラとめくり、必要な所だけを確認し、
膨大な量の広告にうんざりしつつ、用が済めば捨ててしまう。
文化誌は、そのような冊子とは異なり、すぐに使える情報や、新しく出来た施設など、
話題性がなくなれば面白さがなくなるものではなく、
発刊から時間が経っても、その内容をいきいきと感じられる、
普遍的なその土地の「個性」を伝えています。


 

必ずしも、それだけで利益を生み出す循環になっていないものも多く、
熱心で丁寧な制作でありながら、継続の難しさを抱えているところも多くあります。

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それでも、その土地を想い、個性を探し、発信する、意識の高い活動を
d47 MUSEUMを通して紹介し、応援して行こうという企画です。

 

出版元も、行政や地元の編集部、カフェのオーナーや、地元老舗企業、個人で、、、と本当に様々です。

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岐阜県の小冊子『飛騨』は、飛騨産業という家具メーカーのいわゆる「企業広報誌」。
ですが、読んで行くと、飛騨の自然やそこに住む人の様子が浮かんできます。
そして気づくと、飛騨に少し行きたくなっている。
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静岡県の『sizo:ka』は、休刊中ですが、制作のきっかけが面白い。
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静岡と言われると、場所によって色々なイメージが湧きますが、
これだ!というイメージはなかなか湧きにくい、、、そんな時に
「曖昧な静岡像に何かしらの色を加える事ができたら、、」と始まりました。_MG_2330.jpg

自分たちの街には「何もない」というイメージを変えたい、という制作きっかけが多いなか、
こんなきっかけで制作が始まるのもひとつの静岡らしさでしょうか。
5年以上前にに発行された号も、今読んでもとても興味深いです。

 

福岡の『雲のうえ』は私にとって、企画のきっかけになった1冊です。
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初めて読んだのは学生時代でしたが、当時手に取った時に、
「デザインがされていて、内容が超ローカル、しかもフリー」がとても格好良く感じていました。

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福岡の北九州市が発行していて、地元の本当に日常的なことを、「文化」として認識させる、
その視点と編集は力強さを感じる、まさに福岡の「文化誌」だと思います。



d47 MUSEUMの会場内では、展示スペースの他に閲覧コーナーを設置しています。
それぞれのバックナンバーを出来る限りお借りし、500冊以上を実際に読んでいただけます。
その土地の日常から、「文化」を発見する機会になればと思います。_MG_2209_2.jpg

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文化誌が街の意識を変える展

2014年3月27日(木)〜6月15日(日)
11:00~20:00(入場は19:30まで)
入場料500円



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d47 MUSEUM 黒江美穂