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04/d47 MUSEUM

触れて分かる、熊野筆のつくり方「デザイン物産 2014」ワークショップ第一弾

「デザイン物産 2014」では、出展者によるワークショップを開催しています。
第一回目は、広島の熊野筆メーカー「瑞穂」による、チークブラシの穂首づくりを行いました。

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広島県安芸郡熊野町に本社を構える「瑞穂」。
熊野の伝統技法として180年余受け継がれてきた技術を活かし、
化粧筆などを中心に手がけています。
毛を選ぶ「選毛」、仕上げの「整毛」など加工、組み立て、検品まで一貫して行う企業。
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瑞穂のスタッフの皆さん


そんな瑞穂さんの「Mizuho Burush チークブラシ」の穂首をつくります。

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現地で実際に穂首をつくられている、職人の住吉真さんにお越しいただき、
さっそく熊野筆の制作行程の説明から。
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 ひとつひとつの行程がそれぞれの専門家による分業体制でつくられる瑞穂のブラシは、
どの行程も伝統的な技術が必要になる、細やかな手作業ばかり。

早速、材料の山羊の毛を持ってみると、参加されたみなさんから「わぁ〜」という声が。
見た目以上に、繊細で肌に当てると、すーっと気持ちの良い肌触り。
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作業に入ると、そのさらさらとした毛質に、みなさん悪戦苦闘。
穂首の束を持つだけでも大変。さらに、整えるための「コマ」に入れるのも一苦労です。
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くるっと捻りながら、コマの中へいれてゆきます。
無理矢理入れると、中で毛が折れてしまったりと、力加減が難しい作業。
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さすが住吉さん、何回か捻ると、あっという間に筒の中に。

続いて、穂先を整えて行きます。
専用の機械を仕様し、振動によって使って穂首の山をつくります。
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整えたら、逆毛、すれ毛取りの作業。
毛先を整え、小刀で逆毛や、すれ毛などを抜き取って行きます。
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 一本一本、毛を選定する作業は、長年の経験がないと出来ない技術。
みなさんも丁寧に、整えて行きます。

最後に、穂首をひとつの束にまとめる作業も体験。
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 せっかく出来上がった形が崩れないようにまとめるのも大変な作業です。

完成した穂首は熊野で仕上げを行い、後日みなさんの元へ届きます。
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誰でも一回は使ったことのある、筆。
思いもよらない、繊細な技術が必要ということを感じました。

「デザイン物産 2014」は、47都道府県のものづくりを知る機会になると共に、
自分の身の回りの生活用品が、どんな風につくられ、どんな背景を持っているのか、
そんなことを考えるきっかけにもなりそうです。

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デザイン物産 2014
会期:8月7日(木)- 10月19日(日)
時間:11:00 - 20:00(入場は19:30まで)
入場無料

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d47 MUSEUM 黒江美穂