「LONG LIFE DESIGN 1 47都道府県の健やかなデザイン」展が始まりました。
d47 MUSEUMにて現在開催中の「LONG LIFE DESIGN 1」展は、2017年年末から選定が始まっていました。
ロングライフデザインの定義見直しと共に、改めて取り扱い商品も見直すことが多く、半年以上かけての選定となりました。
(何度やっても思いますが、とにかく47は多い、、、)
選定の中ではうまく候補が見つけられず、ディレクターナガオカのOKが出ない、、、ということも。
選定の中ではうまく候補が見つけられず、ディレクターナガオカのOKが出ない、、、ということも。
例えば、地元では定番のお土産や、郷土玩具、籐の家具、しめ縄などもいくつか提案しましたが、「誰もが知っているくらいの、ローカルに偏りすぎないもの」をもっと探して欲しいと言われることも。「ロングライフデザイン」をテーマにした第一弾の企画なので、皆さんが「あ~知ってる!」というものでありながら、ローカル感、レトロ感に偏りすぎていないことも一つの基準として選定がされました。
例えば、誰もが知っているスケッチブックを候補に挙げた際には、「悩むポイントは、うちで取り扱えるかどうか、と、dのロングライフデザイン年鑑に選定するレベルかということで、ちょっと複雑なのですが、懐かし系とかは、なるべくやめたい。これは、表紙のデザインが懐かしだけで、いいスケッチブックかというと、、、」という返事が。残念ながら、その県は私たちの発刊している「d design travel」でもまだ取材しておらず、店舗も無い土地。もしかしたら、中身もとっても素晴らしいスケッチブックなのかもしれないけど、いまはまだ分からない。なので、今回は展示品としては選べませんでしたが、いつかきちんと取材できたら良いなと思っています。
出展をお願いした際に「もう後継者がいなくて、ひっそりとやって行きたい」などの理由でお断りされることもあります。何度かお電話でご連絡し、みなさん気さくにお話しいただきますが、やはり「ひっそりとやって行きたい」といいう思いに対して、私たちの活動を電話だけで分かっていただくことは難しいです。それでも、少しずつ現地に足を運び、お互いに理解できて、本当に「つづく」に繋がっていく活動をしていかなければと思います。
この長い選定期間の間で、私たちが長年基準にしてきた「10ヶ条」も更新をしようとしていました。言葉の選び方などを今の私たちの活動に合わせて更新しようとしていましたが、このような項目を大きな視点で捉えたポイントを重要とし、ナガオカによって大きく4つを挙げられました。
公式書籍に掲載されている内容を抜粋。
(この展覧会、この公式書籍を一緒に読んでもらって完結します!)
その土地だからこそ生まれた必然性
無理なく生まれた、他の場所ではできないことがこれからの創作価値になっていく。
価値の基準が「お金」だけではなくなったいま、儲けという基準から「健やかさ」に変わっていく。
多くの人に向かうのではなく、関係性を継続できる相互理解による仲間に向けて伝える。関係性の豊かさ。
多くの「新しい」ものは文化的行為の積み重ねから生まれてくる。過去を意識しながら、今への答えを探す。
短命な消費されるデザインとは、つまり何とも繋がっていないと言えます。
展覧会会場では、それぞれを3つのポイントで紹介しています。
各地のdスタッフによる現地取材での執筆や、ベテラン商品部チームが長年取り扱ってきた商品について執筆したりと、編集スタッフが「愛がある人は誰かしら?」と毎回執筆者を探して、1冊の本が出来上がりました。商品のことだけでなく、その商品を取り巻く産業、故郷、手入れのことなども1冊にギュッと凝縮されています。制作期間中ナガオカには何度も「手分けして進めよう」と声をかけられ、7年目になってもまだまだてんてこ舞いになってしまう自分を反省しながら、、、本当に沢山のスタッフでつくりあげました。是非、ぜひ!手にとってください。
ちなみに、スタッフに最も注目されているのは、この「使用例写真」。これ、本当に難しいです。汗
最終的にナガオカもプロの外部カメラマンも参加しての撮影となりました。
使用感があり、わざとらしくないけど、バランスと緊張感、清潔感があって、要素の入り方が工夫されている。
ま、つまり「センス良く撮ってね」ってことなのですが、、、、
そんな写真集的要素もあります。
しつこいようですが、この公式書籍本当におすすめです!
この「LONG LIFE DESIGN 1」展に関連し、ナガオカとゲスト2名をお招きしたトークショーを開催します。
1月12日は、Gマークで知られる「日本デザイン振興会」の矢島さん、
1月27日は、京都の老舗茶筒店「開化堂」の6代目八木さんがゲストです。
そもそも、なぜこのタイミングで「ロングライフデザイン」をメインテーマにした展覧会を開催したのか、これからのデザインに必要なこととは、「つづく」とはどういうことなのかを、お二人のゲストと共に紐解きます。2年に1度開催するこの「LONG LIFE DESIGN」シリーズの展覧会。開催の度に、「デザイン」のこれからを再考する機会となると思います。身の回りのものづくり、デザインに興味のある方はもちろん、ショップやギャラリー、書店のかた、ものづくり、デザインに関わる方、編集・ライターさんなど、様々な方にお越しいただければと思っております。
お申し込み、詳細はこちらをご覧ください https://static.d-department.com/jp/archives/people/59055
「ロングライフデザイン」を支え、続いていくための仲間づくりのような展覧会やトークショーだと考えて開催しております。会期は2019年3月4日まで。是非、会場へお越しください。お待ちしております。(年末年始:2018年1月31日 18:00まで/2019年 1月1日休館/2日より通常営業)
d47 MUSEUM 館長 黒江美穂
LONG LIFE DESIGN TALK 2019
場 所:8/COURT(渋谷ヒカリエ8階)
日 時:2019年01月12日(土) - 2019年01月27日(日)
両日共に 17:00-18:30(開場16:30)
参加費:各回 2,500円(書籍セット参加費は下記に記載)
定 員:各回 80名
公式書籍セット参加費について 2days+公式書籍セット 7,000円/1day+公式書籍セット 5,000円(全て税込) (既に公式書籍をお持ちの方:受付時のご提示で参加費から300円割引)
お申し込み方法 電話(03-6427-2301)/d47店頭 ウェブ
d47 MUSEUM 第23回企画展 「LONG LIFE DESIGN 1」展 に関連し、本展キュレーター・ナガオカケンメイとゲストを招いたトークショーを開催します。展覧会に込めた「これからのデザインに必要なこと」を始め、各ゲストとのトークを通してより深く「ロングライフデザイン」を紐解くトークショーです。1月12日はグッドデザイン賞を主催する「公益財団法人日本デザイン振興会」の矢島進二さん、27日は京都の老舗茶筒店「開化堂」の六代目八木隆裕さんをゲストにお招きします。