富山県立山山嶺にある小さな家具工房「KAKI CABINET MAKER 」。素朴で温かみのある無垢材の家具をご紹介します。
山麓で暮らす小さな家具工房のものづくり
富山県立山山嶺の粟巣野にある家具工房「KAKI CABINET MAKER 」。60年前、創始者の故・柿谷誠さんが、粟巣野の自然に魅了され、兄弟たちと移住。ペンションを営み、そこで必要な家具を自分たちで作り始めたことが家具工房開業のきっかけに。現在も誠さんの兄弟やその息子たちが粟巣野で暮らし、木工の「楽しさ」や「厳しさ」を伝えながら、無垢材の家具作りを続けています。
KAKIの家具作りは、主要素材に軟らかく扱いやすい紅松を使用しており、指物技術で釘を使わずに木を組み合わせて作ります。木目が残るようにサンドペーパーは使わず、カンナやノミなどの刃物で滑らかにした木肌に、オイル塗装で仕上げます。
肌触りよく、素朴で温かみのある無垢材の家具は、使って、手入れをして、長い時間をかけてその変化を楽しむことができます。
D&DEPARTMENTでは、
『d design travel 富山』でdマークとして、そして
『d design travel 富山2』では富山らしいおみやげとしてもご紹介しています。今回は、ダイニングチェアやスツール、ディレクターズチェアなどの椅子を中心に、テーブルや小物類なども併せてご紹介します。また、工房で実際に使われている道具や、閉店した銀座のビアホール「ピルゼン」で30年以上使用され、経年変化を遂げたダイニングチェアなども展示予定です。
KAKIの家具作りに垣間見える、山嶺の暮らしの中で培われたものづくりを、ご覧いただける機会になればと思います。