まるで陶芸の登り窯を思わせる薪釜です。
三段階に分けて塩を炊き上げています。
海水のみをひたすら炊き、1トンから採れる塩はわずか20kg。
「なんでこんな面倒な作り方をするのかと驚かれますが、
一番、自然な作り方だと思ってます。」と、作り手の百木さん。
塩を作るきっかけは百木さんのお母様が病弱な息子さんのために、
家庭用として作ったことが始まりだそうです。
にがりを残したまま作り、味はもちろん、身体に良いことを前提に作られています。
海水は体液と同じ成分。
そして波は月の引力で起こり、満ち引きをします。
海水を汲むのは、満月と新月の大潮の時のみ。
今でこそ薬を飲んだりしてその影響は薄いかもしれませんが、
昔の人は月のリズムを感じ取っていたのでしょうね。
塩は生きて行くうえで無くてはならないもの。
命のみなもとのような味です。
(キッチン 加藤めぐみ)
次回、伊勢角屋麦酒さんのお醤油作りのお話です。