今月の麺定食は、福岡県の「かしわうどん」です。(¥1,050)
小鉢は、高菜の産地、福岡県瀬高町の辛子高菜を使った炒り豆腐と、
福岡の朝には欠かせないという、海藻をコンニャクのように練り固めた、おきゅうとの海苔巻です。
「かしわ」というのは、西日本で広く使われる方言で鶏肉を意味し
そのかしわを、砂糖と醤油で甘辛く煮た具をうどんに載せたのが「かしわうどん」です。
佐賀県の鳥栖駅にある立ち食いうどん屋さんが
駅弁のかしわ飯の具をうどんに乗せたのが始まりだそうで、
今では福岡を中心に、北九州のうどん屋さんで定番メニューになっています。
九州のうどんは俗に「くちびるで切れるほどやわらかい」というのが特徴で
私が麺を探すために何軒か福岡県の製麺所に電話したときも
みなさん口をそろえたように、「うちのうどんは九州独特のやわらかい麺ですがよろしいですか?」
とおっしゃっていたのが印象的でした。
中でも、博多の中洲のうどんは特に柔らかいらしく、
「うちのうどんは中洲のうどんだから普通の(九州の)うどんよりもっと柔らかいよ。」と言われたときには、
柔らかさへのこだわりさえ感じました。
一説によると、噛まずに飲むのが九州のうどんの食べ方だそうで、
出汁の効いたツユの味がよく馴染むように、弾力のある柔らかいうどんが好まれるのだそうです。
今回使用している麺は、
実際に福岡県小倉駅のうどん屋さんに麺を卸している製麺所から取り寄せた、本場の九州うどんです。
みなさんも、是非この機会に九州のうどんのやわらかさを体 験してしてみてください。
(キッチン 鈴木博己)