6月10日発売「d design travel沖縄」掲載の「沖縄定食」のご紹介です。
キッチンスタッフ坂井が沖縄へ行き、定食を作りました。
こちらは6月のみのメニューとなります。お早めのご来店を!
自然がソウルフード「沖縄定食 沖縄そば」
その日は東京から来た僕達を含めた大勢で、沖縄の知人宅で宴が開かれた。夕食の準備に並べられた野菜の数々は家の裏の畑で採って来た物である。驚いたのは、名前も分からない野草(僕にはそう見えた)を「そのままでも食べれる」とパクッとやってみせた。僕にも「どうぞ」と。野草を食べるのは幼い頃ぶりだが、大地の香りが何だか懐かしい味がした。伝統的な文化もさることながら、自然との共存が沖縄の食には根付いている。今回の定食を作るに当たって琉球時代から伝わる宮廷料理からの引用も視野に入れていたが、やはり日常の家庭料理に目を向けてみる事が重要だと感じた。沖縄野菜の「ハンダマ」は香りが強いが、食感も手伝いクセになる。温かい「ゆし豆腐」は大豆の味が濃厚な島豆腐の味を引き立てる。「イリチー(炒め煮)」にした「クーブ(昆布)」は豚肉と混ざる事で味に深みを増し、ついつい箸が進む。「沖縄そば」には島とうがらしを泡盛に漬け込んだ「コーレーグース」をかけてその味を完成させる。体験した混じり気の無い沖縄の味は、独自の食文化を守る一味違うものだった。そして、「食」を通じて改めて沖縄に惹きつけられた。(キッチン 坂井竜一)