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06/d47 SHOKUDO

富山定食

富山県の食、歴史、文化のが書かれた「美味しんぼ」の富山編を読み、いざ富山へ。

その中でも気になった「ホンコサマ(報恩講)」を実際に五箇山で頂く事が出来ました。

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ホンコサマは、おもてなし精進料理。

全部を再現するという事は出来ませんでしたが、今回は五箇山豆腐を定食に入れました。

「お平」と呼ばれる五箇山では欠かせない五箇山豆腐の下には、ごぼう・里芋などの煮しめ。

大きな豆腐がふた代わりになっているのも流儀で、見た目のインパクトが印象的でした。

ご飯の盛りが少ないのは、おかわりをいっぱいしてくださいという意味が込められています。

 

地元の人達が「ご飯が何杯でもおかわりいけるよ。」という、

旬な野菜を炒めて味噌でよごすことから「よごし」と呼ばれる家庭郷土料理。こちらは小鉢に。

 

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昆布料理が豊富なため生まれた、「高岡昆布飯」。黒とろろ、白とろろのおむすび。

今回いつも大変お世話になっているこんぶ土居さんにご協力頂き、

なんと特別に、手削りで作って頂きました。

とても繊細で、美味しいんです。土居さん、本当にいつも、ありがとうございます。

 

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その、高岡昆布飯を早朝に食べて元気をもらい(これがなければ船酔いしていたかも。)

同行させて頂いた白海老漁。

 

ずっと厳しい表情で、海底200m~300mの群れを探り、獲れた時には、本当に良い表情に変わる。

僕は何もしていなかったのですが、大漁だった事も重なり、一緒になって喜びました。

とても綺麗で、まさに富山湾の宝石です。

 

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この白海老を地元でも良くたべられる白海老のかき揚げに。

お味噌汁には、秋が旬のフクラギ(福来魚)をあら汁にしました。

 

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富山湾でしか漁が行われていない白海老と、成長とともに呼び名が変わる鰤(ブリ)。

北前船文化により北海道から昆布が伝わり、今でも昆布消費量が1位といわれる文化から生まれた昆布料理。

合掌作りの話、お嫁さんが嫁ぐ話。

親族が意思を決する時や大事な時期に作られたと伝えられる、歴史を感じられるホンコサマ。

旬の野菜のヘタなど、無駄にする事なくご飯のお供になり、

各家庭にそれぞれの味があり、時代背景と生活の知恵が感じられる「よごし」料理。

 

それらを合わせる事が出来、富山の食文化を感じていただける、そんなおもしろい定食が出来上がったと思います。

富山の食文化を味わっていただく事が出来ればと思います。

 

(料理長 橋本圭介)