仙台定食開発行脚、3日目。
仙台市内から車で約1時間。蔵王近く柴田郡大河原町の
「ふるさとの味を伝えるお総菜店 ごっつぉうさん」へ向かう。
雪を抱いた蔵王山が、青い空に映えて美しい。
途中、道の駅「村田」に寄り、地元の野菜や名産品を物色する。地元の
曲がりネギも発見!白菜も、この通りのバリエーション(?)で、面白い。
伺った総菜店「ごっつぉうさん」は
小畑さんのご自宅を改装された店舗。
厨房は、コンパクトだが、無駄がなく、手際よく料理する
お母さんたちの、よく考えられた仕事場、といった印象。
こちらで、東北独自の小麦食「はっと汁」、
宮城県北部の登米地方に伝わる食材「油麩」を使った煮物と、
「牡蠣ご飯」を教えていただく。
厨房に入る人はエプロンを、ということで食堂の橋本料理長が、
いつもの制服とはまた一味ちがう、新鮮なエプロン姿に。
「はっと」は、小麦粉を練って、ねかせて、のばして、ちぎって
茹でたものを、汁物に入れたり、餡子をまぶしておやつにしたりする独特の小麦食。
米以外にも小麦を栄養源として上手にとりいれてきた
東北ならではの食べ方。
続いて習った「油麩」の煮物。これは、宮城県北部、登米地方に古くから伝わる
食材。食堂に戻って見せたら、「フランスパンみたい!」と言われる。確かに。
「油麩」は、煮物にすると野菜の出汁がしっかりしみて、じわっと旨い。
牡蠣ご飯も、いい具合に炊けて、さあ!皆さんで試食。
初めて食べるのに、懐かしいような
ほっとする味、「はっと汁」。
はっとのくにゅっとした歯ごたえ、醤油仕立ての優しい味付けが身体にしみわたる。
牡蠣ご飯は、牡蠣の旨味が噛むごとに深くなって
優しい海の味。
こうして、冬の宮城の味、仙台定食が
海の、山の、地元の馴染みの深い食材や料理法を
教わる中で、形作られていく。
(d47食堂 内田幸映)