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06/d47 SHOKUDO

和歌山県 田辺市を訪ねて 「海編」

 

3月上旬。

「田辺定食」開発のために、おいしいものを求めて、和歌山県田辺市へ。

 

海と山との距離が近いこの地は、海辺から少し車を走らせると、
いつの間にか梅の花でピンク色に染まった山景色へと変わります。

山がなだらかなせいか、空が広く見えました。

 

こちらのブログでは、いくつかに分けて田辺の魅力をお伝えしていこうと思います。

 

今回は「海編」!

 

田辺湾.JPG

 

 

実は、食堂の料理長の地元は和歌山県。

料理長はいつもにもまして気合いが入った(ように見え)、和歌山を訪れるのが初めてだった

私には、ひとつひとつの食べ物や文化に、驚きと感動を味わいながらの取材となりました。

 

 

田辺湾を覗くと、深い青が底に続いています。

太陽の光が青い水面にキラキラ反射する美しさには、ぼーっと見とれてしまいました。

 

 

黒潮の影響を受け豊富な魚に恵まれた田辺では、食卓に「紀州いさぎ」の塩焼きなど、

海の幸が並びます。

 

地元の食材を使った料理を提供しているお店“銀ちろ”では、

「紀州ひろめ」のしゃぶしゃぶに出会いました。

 

ヒロメしゃぶしゃぶ.JPG

 

光が射す沿岸で育つ「紀州ひろめ」は、ヌメリがありながら、

コリコリとした歯ごたえのある海藻。

 

出汁に通すと青菜のような鮮やかな緑へと変わり、思わず「すごい!」と声が出たほど。

 

色の変わったヒロメ.JPG

 

これを通した出汁が絶品で、はじめに飲んだ出汁と

ひろめを通したあとの出汁では、味も香りもまた違った味わいに。

 

しゃぶしゃぶをする手が止まりませんでした。

 

私たちが漁港を訪れた日は、あいにくの雨。

 

漁港の様子.JPG

 

いつもなら夕方に水揚げされるはずだったモチガツオ(通称モチ)も、時化で漁が出ず

食べることができませんでした。

 

水揚げされたその日のうちに食べるから、モチモチとした歯ごたえがあるモチガツオ。

これはカツオが獲れるこの土地でしか食べられない食材です。

 

色々な方に「モチ食べれんのんかぁ。残念やねえ。」と言われ、

想像の中のモチによだれを垂らし、私たちは次回の来訪の楽しみにすることに…。

 

モチガツオの他にも、ウツボなど、田辺でしか食べられない食材があります。

 

ウツボは、見た目からは想像のできない上品な身がたまりませんでした。

唐揚げを頂いたのですが、ぷりっとした脂はお肉を思わせる味です。

 

ウツボの唐揚げ.JPG

 

「これは、定食でお出ししたいですね!」などと盛り上がったのですが、

仕入れやさばき方などが難しい食材で、今回は断念することになりました。

田辺でしか味わえない食材は、ぜひとも田辺を訪れた際に食べて頂きたいです。

 

 

 

漁師町、江川へ行くと、細い路地に並ぶ民家からは

昭和の雰囲気が残った独特の空気が流れています。

 

江川の様子.JPG

 

路地裏にある美容室では、近所に住むおじちゃんとおばちゃんが

「店主は今買い物行ってるでー」と留守番をしながら、おしゃべりに花を咲かせていました。

 

ここでいただいたのは、うどんと中華麺が半々で作られたソース焼きそば「江川ちゃんぽん」。

 

江川ちゃんぽんのおばちゃん.JPG

 

大きな鉄板の前で、おばちゃんがコテを振るいます。

 

 

甘からいソースの味が、箸を進めながらもさらに食欲をそそり、喉がかわいたら冷やし飴を

流し込む。

 

江川ちゃんぽん.jpg

 

いつのまにか大盛りの「江川ちゃんぽん」をぺろっと平らげていました。

 

漁師町の独特の雰囲気に圧倒されながらも、そこで暮らしている人たちの生活を垣間みる

ことが出来、江川にすっかり魅了されました。

 

 

次回は、廃校になった中学校の校庭で椎茸作りをしているお母さんや

家庭の味を作り続けているお母さんのお話をご紹介しようと思います。

 

題して「田辺のお母さん編」!お楽しみに!

 

(d47食堂 菊地妙子)