9月に出版された「土居家のレシピと昆布の話」、
その出版を記念したトークショーのレポートです。
先日、「d schoolわかりやすい昆布の話」として、
「土居家のレシピと昆布の話」の出版記念トークショーが開催されました。
聞き手に、季刊誌「住む。」の編集長である、伊藤 宏子さんをお迎えして、
「こんぶ土居」3代目 土居 茂吉さん、4代目 純一さん、「ぴあ」編集長である和久田さんの4人でのトークショー。
「こんぶ土居」は、大阪 空堀商店街にある、111年の歴史を持つ「昆布屋」です。
北海道で収穫・乾燥まで行われた昆布の、仕分け・加工をして販売されています。
昔は、職業別の電話帳があり、職業欄に専門店として「昆布屋」の名前があるのは
大阪だけだと言われていたのだそうです。
乾物屋として鰹節などと一緒に販売しているお店はあっても、昆布のみを扱うお店は
大阪が中心でした。
そのくらい、大阪にとって昆布は親しまれていたんですね。
しかし今では、昔に比べて昆布の消費量が減り、昆布屋は毎年1件潰れ、2件潰れというのが現状です。
そんな中で、よいものを届けたい一心でやってきた、と言う「こんぶ土居」さん。
地元にも、離れた地域にも(食堂には「遠くて大阪まではいけないから」と買いに来て下さる方も!)
ファンのいる「こんぶ土居」さんの商品の基準は、「自分たちが食べたいものを作る」なのだそう。
「食品はいつの間にか、お金を稼ぐためのものになっている部分がある」
とおっしゃったのは、茂吉さん。
「売ることよりも、メッセージを伝えていくことが大事だと思っています」と、
稼ぐことを考えない取り組み方をされています。
そんな、現代の「低コスト」で「大量」に売る、の真逆をいく「こんぶ土居」の家訓は、
「原価率の高さ」だと笑う茂吉さんに、私たちもつられて笑ってしまいました。
よい原材料にこだわることで、自然とあがってしまうのだそうです。
「こんぶ土居」さんのこだわりは、まるでレシピのように詳しい商品の原材料表示に表れています。
休憩時間には、出汁の飲み比べ。今回は、2種類の出汁をA・Bとしてご用意しました!
Aは、食堂でもおなじみ、「タイコウさんの鰹節とこんぶ土居さんの昆布をつかった合わせ出汁」。
Bは、「市販の顆粒出汁を溶いたもの」。
茂吉さんの指示で、A→B→Aの順番に飲んで、びっくり!
Bの出汁を間に挟むことで、最後に飲むAの味がわからなくなってしまうんです。
それほど、Bの出汁に含まれる化学調味料の刺激が強いんですね。
日常にどれだけの化学調味料が使われているか、ぜひご自宅のパッケージを確認してみてください。
そして、もうひとつ。
本にも載っている、「和風ロールキャベツ」をお召し上がりいただきました!
ちなみにこちらの「和風ロールキャベツ」、いま食堂で数量限定でお出ししている
「大阪 こんぶ土居定食」にも入っていますので、ぜひ食べにいらしてくださいね。
毎日キッチンから匂うロールキャベツのいい香りに、空腹のスタッフは負けそうになっています…(笑)
そして、予定よりもたくさんの方が上がった壇上。
乗り切れなくて、和久田さんが降りてくださったほどです。
「こんぶ土居」のおふたりを映像にされた「INSPIRING PEOPLE & PROJECTS」の皆さん、
取材を担当された方、レシピ作成に関わった方…
「この本は、たくさんの人たちのご好意で作られました」
まだまだ、ご紹介したい人がたくさんいるんです、と茂吉さん。
落ちそうなくらいにいっぱいの壇上を見て、胸が熱くなりました。
人とのつながりを大切にする「こんぶ土居」が、長く愛され続けてきた理由がわかる気がします。
「土居さんが愛されていることを、作っていて改めて感じた」と和久田さんもおっしゃっていました。
最後には、「こんぶ土居」さんから素敵なお土産が!
実は今回、「せっかく昆布の話をするので、家に帰ってからも昆布を使って出汁をとってほしい」
という「こんぶ土居」さんのお気持ちで、昆布をお土産として用意してくださいました!
スタッフも、「こんなに素敵なお土産がつくの?!」と大興奮。
「昆布の出汁とりは簡単?難しい?」の質問に、純一さんは即答でした。
「めちゃめちゃ簡単です!」
目安は、水1リットルに対して昆布がたったの10グラム。
ちなみに、手のひらサイズで10グラムです!
一晩つけておくだけで、おいしい出汁がでます!
ぜひ、土居家のレシピと一緒に、おいしい昆布ライフを送ってください!
(d47食堂 永野 歩)