6月下旬、栃木県にある「日野屋麹製造元」さんを訪ねて、味噌造り体験をしてきました。
6月下旬、よく晴れたドライブ日和の日。
栃木県那須にあるお味噌屋さんの「日野屋麹製造元」さんを訪ねました。
d47では毎年、日野屋さんでお味噌造りの体験をさせていただいてます。
今年も、去年仕込んだお味噌のお迎えと、来年のための仕込みに行ってきました。
朝に渋谷に集合して、栃木の風景を楽しみながら車を走らせ3時間程。
昔ながらの建物が並ぶ穏やかな町並みの中に日野屋さんはありました。
入口にある看板などはすべて手づくり。どれも味があるデザインです。
笑顔が印象的な三代目の江部さんに迎えられ、味噌造りスタート。
まず、去年仕込んだ味噌を見せていただきました。
こちらには年間200組以上の味噌造りの依頼がくるそうです。
作業場には仕込み終えた樽がたくさん並んでいました。
その中から「d47味噌」を発見。
重石を取るとじゅわーっと出て来る黒い液体、濃厚なたまり醤油です。
少し取りに伺う時期が遅くなってしまったのですが、「味噌が最高の状態」とおっしゃる江部さん。
いい香り、いい色をした味噌を一つまみ口にいれると、それはもう自然とほころぶ美味しさでした。
たまり醤油もお味噌も余すことなく持ち帰りパックに詰めました。
そしていよいよ味噌造りの作業を開始。
前掛けをお借りして気合い充分。
まずは事前に大鍋で茹でておいてもらった大粒のぷりっとした大豆を機械でミンチにします。
形を変えて出てきた大豆はモンブランのようで、食べてみるとほのかに甘い優しい味がしました。
このミンチした大豆を年期の入った大きな木桶に入れ、塩と麹と大豆の煮汁を加えてよく混ぜ合わせます。
麹は木枠に入れて、専用の小部屋にいれて培養します。
その部屋の湿度、温度は江部さんの肌感覚で管理されています。これぞ熟練のなせる技。
木枠から出したカチカチに固まっている麹を手で揉み解しながら混ぜていきます。
麹の菌がもわーっと辺りに舞いました。
約30分ほどでしょうか。この混ぜ合わせる作業が実にしんどい。
慣れている江部さんのお手本を見てると簡単そうなのですが、コツを掴むまでだいぶかかりました。
いい具合に混ぜ終わったら、樽に詰めて行きます。
D&DEPARTMENTダイニング全店に送りますので、沢山仕込みます。
来年取りにくることを楽しみに、美味しくなるんだよ、と想いを込めて。
暑いなかする作業、また大豆からでる湯気で私たちは本当にすごい汗をかきながら作業しました。
必死で汗を拭う私たちを見て
「この汗もいい調味料だよ。最近ではきっちり作業着を着て、キレイな環境で作られる。
でも昔からこうやって職人たちは作っていたんだ」と語る江部さん。
ちなみにこちらの混ぜ合わせる作業、機械でもできます。
機械はすごくきれいに均一に仕上がり、自分たちが混ぜたものには荒さがありました。
でも何故か暖かみが違う気がしました。
汗水ながしてした作業には気持ちがしっかり入ったと思います。
置いてある道具達もよく使い込まれており、大事に長く使ってらっしゃるんだな、と。
いかに毎日を積み重ねてきたか、手造りへのこだわりを物語っていました。
最近の食品は、「ごまかしている」という江部さんの言葉が印象的でした。
素材も全くごまかさない。
いいものを使って、いいもの正直に作る。
だからこれは美味しいんだ、と自信をもって勧められる。
江部さんの目は楽しそうで、熱いものが確かに見えました。
これが職人さんのエネルギーか、と心震える感覚でした。
日野屋で作られる味噌は麹が生きているそうです。
その証拠に袋詰めされた味噌の袋がぱんぱんに膨れます。
生きた麹菌は食物の細胞の奥深くまで入り込むので、味噌漬けにすると味がよくしみこむ。
もちろんそのままお野菜と食べても、お味噌汁にしても、ソースにつかっても美味しい。
どんなお料理に変身させようか、想像してはお腹がなりそうになりました。
帰る前に店頭でいろいろな商品を購入。
女将さんが気になる商品を試食させてくださいました。
味噌ラスク、黒豆納豆、黒味噌、味噌漬けチーズ、麹アイス、、、、などなど
魅力的なものばかりで目移りしてしまいました。
最後にお店の前で記念撮影を。
笑顔で最後まで手を振って見送ってくださいました。
行ってみないとわからないこと、聴けないお話、発見、
実際足を運んで感じることって本当に大きいと感じました。
貴重な体験、貴重なお時間をありがとうございました!
(d47食堂 万城目絢子)