写真を撮るひと、写るひとと物、それをカタチにし写真集にするひと。そして、触れて、見るひと。携帯の写真やデジカメの普及で、写真を撮り発表することが安易に出来る時代になり写真の行為が身近になったからこそ、本来の持つメディアとしてのチカラを、渋谷のヒカリエで多くの方に感じて頂きたいと、切に願います。

赤々舎は2006年の設立以来、写真集を中心としたビジュアルブックを精力的に刊行し続けてきました。特に、今後の活躍が期待される若手の写真家の作品集を多く手掛けており、プロの写真家や写真ファン、アートファンからも常に一目置かれる存在です。出版の他にも、写真のもつチカラや魅力をより多くの方に伝えるために、スライドショーや展示、トークイベントなどを国内外で精力的に開催し、能動的に写真を体感できるこれらの活動を通して、作家や作品と読者との交感を育んできました。

写真は、広告に使われているのを目にしたり自分で撮ったものをSNSにアップしたりと、日常生活にすっかり浸透した存在ですが、あまりに身近であるゆえに、かえって写真家の作品写真というのは多くの方にとって縁遠く、なんだか小難しくてめんどくさそうな印象があるかもしれません。でも実は、身体の目で見るのとはちがった物の見方や感情の流れを一瞬で伝えることができるとてもおもしろい媒体なのです。

今回の企画では、赤々舎の普段の仕事場を公開し、来場者に写真集制作の打合せの様子をご覧いただいたり、常駐するスタッフや写真家と気軽に話したりしながら写真集をお手に取っていただけます。写真と改めてここで出会い、本と一緒に新たな発見や気づきを持ち帰っていただけるような場を作り出したいと考えています。