僕らが好きな器を持って沖縄からやってきました。
2017年12月23日(土) - 2017年12月29日(金)
渋谷ヒカリエ「8/」は、オフィス、ギャラリー、ショップ、カフェがゆるやかにつながるクリエイティブスペース。
そのときどきのイベントで、行き交う人たちも、景色も変わります。
いつ訪れても、新鮮な驚きが待っている「8/」。
ショッピングやお食事の前後に、あとワンフロア、上ってみませんか?
2017年のクリスマス・イヴ前日、
CUBEに沖縄から器のセレクトショップがやってきました。
初日の朝、好きな作家さんの作品を求め、エントランスにはコレクターの列が。
棚には、色とりどりの器たちが並んでいました。
はじまりは、学生時代からの友人とつくったカフェ。
出会う人とのご縁を大切にしながら、ニーズに応えるうち、
気付けば器と一緒にチェンマイを旅していたという店主の前嶋さん。
お話から浮かび上がってきたのは、ごくごく自然な流れでした。
音楽をかけるように、その日の気分で器をえらんで
mofgmona no zakka(モフモナノザッカ) 移動店
会期:2017年12月23日(土) - 2017年12月29日(金)
イベントページ : http://www.hikarie8.com/cube/2017/10/post-54.shtml
店主の前嶋剛(まえじま・ごう)さんは、東京都出身。大好きなダイビングをきっかけに、沖縄の大学へ進学。在学中ともにシェアハウスで暮らし、生物学を学んだ仲間3人で、季節や自然の流れを感じられる場をつくろうと、2002年、沖縄本島の中部・宜野湾市(ぎのわんし)でカフェ「mofgmona」(モフモナ)を開業。オープンに当たり、コーヒーをよりおいしく飲めるような器を求め、沖縄の工房を訪ねて歩いたそうです。「3人とも手作りや古いものが好きで。盛り付けがイメージできるようなものや、使ってみて手になじむ器を選んでいます」と、前嶋さん。伝統的なやちむんや、現代的な手法でつくられたもの、作家性の強いものなどさまざまな器が集まり、作家さんが作品を販売する場を増やそうと、カフェの一角で販売も手がけるようになりました。
3年後、器をストックする場をつくるため、カフェの2軒隣にあった古民家を自ら改修。 “見せられる倉庫”として週末のみ開けていたところ、たくさんの人が訪れるようになり、生活雑貨店「mofgmona no zakka」(モフモナノザッカ)としてオープン※しました。
※現在はカフェと同じビルの3階に移転しています。
4軒からはじめた工房とのお付き合いも、今は40軒以上に。この企画展のために前嶋さんがあつらえた棚に、伝統的な三彩や唐草などがならぶ
まるで古材のような質感のある器。「読谷(よみたん)でとれる鉄分の多いマンガンという釉薬をかけてニュアンスを出しているそうです」(前嶋さん)
2010年、取材に訪れた編集者とのご縁で、神戸で期間限定の移動店を展開。このイベントを機に、国内のチャリティイベントや、パリ、台北、チェンマイにも出店するように。「渋谷のような大都市で器がたくさんの人の目に触れるのもいいし、敢えてチェンマイのような小さな町で紹介するのも面白い。僕が行ってみたい場所でもあるんですが(笑)」。器を介して共感を得られる瞬間、新しい器や人と知り合うことが醍醐味という前嶋さん。「晴れている日に使いたい器、今日は寒いからこれ…音楽をかけるように、その日の気分で選んでいただけたらうれしいですね」(前嶋さん)
琉球ガラスは、再生ガラスを材料としているので、強度を出すために厚めにつくるのが一般的。「最近では、薄めにつくられているものも見かけます。自由な素材なので、作家性が出やすいかもしれません」(前嶋さん)
ー Impressions ー
キラキラと光を反射する琉球ガラスに囲まれた会場は、沖縄の明るい陽射しごと連れて来たような、まさに「移動店」。ジーマミー(ピーナッツ)をモチーフにしたシリーズや、海を思わせる鮮やかなターコイズブルーの器など、伝統的な絵柄だけではない、やちむんの表現の豊かさを感じました。手に取る方たちのどこか柔らかな表情も、沖縄の自然を切り取った器のなせる業なのかもしれません。
作家さん同士のつながりも強いそう。右は親方、左が独立したお弟子さんの作(写真左)